シャワー中に「記事を出す前に、変な翻訳を自動で見つけられない?」と思いつく。
普通なら、いい案だったな、で終わる。ところがAIに手伝ってもらって確認の仕組みを作り、毎回動くようにすると、翌週もその確認が行われる。
思いつきが、なぜか検品担当として出勤している。 採用面接はしていない。
1. 一度のお願いと「部署」の違い
AIに「この文章を翻訳して」と頼むと、一回分の翻訳が返ってくる。便利だが、次の記事ではまた頼み直す。
一方で、「新しい記事ができたら、決めた順序で翻訳を確認する」というルールを作り、プログラムに組み込めば、同じ手順を繰り返せる。
たとえば「訳の中に別の言語が混ざっていないか」「必要な名前が消えていないか」を毎回見る。おかしい記事は人が直し、問題のない記事は次の工程へ送る。
これが、ただのお願いと小さな「翻訳・検品部門」の違いだ。部署というのは比喩で、判断も責任も人間から消えない。
2. なぜ一人でも工程を増やせる?
従来は、やり方を決めるだけでなく、そのやり方を動くプログラムにするまでが大仕事だった。
AIは、思いつきを文章にする、手順を整理する、試作品を書く、失敗例を探す、といった作業を手伝える。そこで動いた手順を保存すれば、次も使える。
記事づくりなら「下書き→翻訳→確認→公開→表示を確認」。一つずつ仕組みにすると、組織図のようなものができる。
「もう一人雇った」のではなく、「同じ作業を毎回やる仕組みが一つ増えた」のが正確だ。
3. 工場が動くことと、うまく動くことは別
自動で翻訳できても、意味が合っているとは限らない。公開ボタンが押されても、読者の画面で記事が開くとは限らない。
だから大切なのは「動いた」という報告より、「何が完成し、どこで失敗したか」を確かめること。失敗した部分だけを直し、ほかの正常な部分は止めない仕組みにすれば、やり直しも軽くなる。
ただし、運用には時間が要る。サービスの料金、故障、誤情報、情報管理も残る。無料で働く完璧な社員が誕生した、という話ではない。
4. では、会社になったのか?
まだ違う。たくさんの工程があっても、それを欲しがる読者や客がいなければ売上は生まれない。
「人間が作り直したら高そう」も「高く売れる」とは別。価値があるかは、実際に役立ち、安定して動き、必要とされるかで決まる。
それでも一つ変わったことはある。思いつきを、その場限りの会話で終わらせず、次の日にも使える道具として残しやすくなった。
シャワーのひらめきが翌週の検品担当になる。会社ではない。でも、ちょっと組織図が描けそうで困る。
