9月の多治見で「もう秋だし、駅から歩こう」と予定を組むと、少々危ない。9月の日最高気温の平年値は29.8℃。カレンダーは秋でも、昼間の空気はまだ夏寄りだ。
そこで、旅の主役を屋外の名所からタイル・科学・化石の博物館に替えてみる。景色を我慢する旅ではない。暑さとの根比べをやめて、見たいものをちゃんと見る1泊2日だ。
1日目:多治見でタイルを見に行く
昼ごろ多治見に着いたら、まずは駅周辺で食事。その後、多治見市モザイクタイルミュージアムへ向かう。
ここは「かわいいタイルを並べた場所」で終わらない。小さな焼き物がどう作られ、町の産業になったかまで見られる。建物の外観も妙に気になる。中身は工業の話なのに、入口からすでに作品みたいだ。
ただし、美術館と駅は隣同士ではない。多治見駅南口から路線バスで約17分。炎天下を歩いて到達すること自体を観光の目的にしなくていい。開館は通常9~17時、最終入館は16時30分。バスの本数と休館日は出発前に確認しよう。
夕方は予定を足し過ぎず、多治見周辺に宿泊。博物館で目を使ったあとに、体力まで使い切る必要はない。夜の予定欄が空白でも、それは「失敗」ではなく「休憩」という立派な予定だ。
2日目:瑞浪で科学と化石に寄り道
翌日はJR中央本線で瑞浪へ。午前中にサイエンスワールドを目指す。実験や科学の実演に触れられる施設で、入館・見学は無料。体験プログラムも原則無料だが、材料費がかかる場合はある。
ここで気を付けたいのは駅からの距離。瑞浪駅から徒歩なら約40分、タクシーで約10分という公式案内だ。9月の暑い日に40分歩けば、科学を学ぶ前に自分の耐熱性能を実験することになる。タクシーでいい。
昼食と移動の余裕をとって、午後は瑞浪市化石博物館へ。化石が並ぶだけでなく、瑞浪の昔の海と生き物が想像できる。見どころの一つは、瑞浪で見つかったパレオパラドキシアの化石。名前は早口言葉みたいだが、昔の海に暮らした哺乳類だ。
サイエンスワールドと化石博物館を同じ午後に無理やり詰め込まなくてもいい。実験をじっくり楽しんだら、化石は短時間にする。逆もあり。一つを長く見たら、もう一つは軽くで十分だ。
この旅で削るべきものは「名所」より「移動疲れ」
観光計画では、つい「せっかくだから、もう一か所」と足したくなる。でも9月の多治見・瑞浪で最ももったいないのは、展示を見逃すことより、移動で疲れて展示が頭に入らないことだ。
だから予定は次のくらいでいい。
- 土曜:多治見で昼食 → タイルミュージアム → 宿泊。
- 日曜:瑞浪で科学体験 → 昼食 → 化石博物館 → 帰路。
施設の休館日、催し、バス時刻は変更される。とくに月曜や祝日の翌日に行く場合は、各館の公式ページで開館日を確認しておこう。上の順番はモデルプランで、確定予約の行程ではない。
9月の旅を成功させる方法は、秋らしい気温を祈ることではない。暑い日でも面白さが減らない場所を選ぶこと。観光で体力を使い切らなくても、十分に冒険できる。
参考情報
- 多治見の月別気温平年値(1991~2020年、気象庁データに基づく集計):https://weather.time-j.net/stations/jp/tajimi/
- 多治見市モザイクタイルミュージアム・利用案内:https://www.mosaictile-museum.jp/guidance/
- サイエンスワールド・利用案内:https://www.sw-gifu.com/access/
- 瑞浪市化石博物館:https://www.city.mizunami.lg.jp/kankou_bunka/1004960/kaseki_museum/index.html
