スマホの見すぎで起きやすいのは、目の疲れや乾き。ものもらいは、まぶたの縁にある腺やまつ毛の根元で起きる炎症で、主に別の仕組みで起きる。だから一日中スマホを見ていても、ものもらいにならない人がいるのは不思議ではない。
一日中スマホを見ている人が、まぶたの腫れとは無縁。一方、そこまで画面を見ない人に「ものもらい」ができる。
「目を使いすぎたらものもらいになる」という説が正しいなら、話が合わない。スマホを長く見た人から順に、まぶたが満員電車になっているはずだ。
スマホが起こしやすいのは「疲れ」と「乾き」
画面を見つめると、まばたきが減りやすい。すると目の表面が乾いて、しょぼしょぼする、かすむ、疲れるといった不快感が出ることがある。これは米国眼科学会も説明している。
そこからいきなり「だからまぶたにものもらいができる」とつなげるのは飛躍だ。目が疲れることと、まぶたに炎症が起きることは、同じ事件ではない。
ものもらいの現場は、眼球より「まぶた」
一般に「ものもらい」と呼ばれる麦粒腫は、まつ毛の根元やまぶたの腺の周りで起きる感染・炎症だ。赤く腫れ、押すと痛むことがある。
似たしこりでも、油を出す腺が詰まってできる霰粒腫は別物。痛み方や治るまでの期間が違うことがある。
まぶたの炎症が続いている人などは、ものもらいができやすい場合がある。だから画面を見る時間が同じでも、起きることは人によって違う。スマホの使用時間だけでは、原因を決められない。
できてしまったら、どうする?
清潔な布を温かいお湯で湿らせ、閉じたまぶたに5〜10分ほど当てる方法が一般的に勧められている。自分でつぶすのはやめよう。コンタクトレンズや目元の化粧も、治るまで控えるよう案内されている。
腫れや痛みが強い、見え方に影響する、周りへ広がっている、数週間たっても良くならない。こんなときは眼科などで診てもらおう。全部を「疲れ目」で片づける方が危ない。
結局、スマホのせい?
「スマホを見すぎたからできた」と思っても、画面を見た時間だけでは証拠不足だ。画面は疲れ目の容疑者にはなるが、ものもらいは別件として扱う。
目の乾きと、まぶたの腫れは分けて考えよう。違う部署の仕事をひとまとめにしてはいけない。まぶたには、まぶたの事情がある。
参考資料
- American Academy of Ophthalmology, Computers, Digital Devices, and Eye Strain: https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/computer-usage
- National Eye Institute, Blepharitis: https://www.nei.nih.gov/eye-health-information/eye-conditions-and-diseases/blepharitis
- Moorfields Eye Hospital, Stye: diagnosis and treatment: https://moorfields.nhs.uk/eye-conditions/stye/diagnosis-and-treatment
