試験に合格。手元にはハンターライセンスが一枚。売れば大金になるらしい。私なら次に開くのは求人サイトではなく物件サイトだ。ところがゴンは父親を探しに行く。いや、もう引退できるのに?
ライセンスは「賞金」ではなく「鍵」
『HUNTER×HUNTER』では、ハンターライセンスを持つと、普通なら入れない場所や手に入らない情報に近づける。しかもカード自体に高い価値がある。売って暮らす、という発想はかなり自然だ。
ただし、売ってしまえば、そのカードを活動の道具として使い続けることはできない。宝箱の鍵を高く売ったら、宝箱を開けに行けない。どっちが得かは、何を欲しがっているかで変わる。
ゴンの目的は給料日じゃない
ゴンが探しているのは父のジン。クラピカは仲間から奪われた緋の眼を取り戻したい。レオリオは医者になるためにお金が必要だ。三人とも、欲しいのは「ハンターの肩書そのもの」ではない。
ここが面白い。レオリオはちゃんとお金を欲しがっている。だから「ハンターは全員、金に興味がない」という話ではない。お金で何を実現したいのかが違うのだ。
合格したからこそ、終われない
そもそもハンター試験は、危険を引き受けてでも何かを追いかける人が挑む試験だ。もちろん、合格者全員が冒険好きだと決まっているわけではない。それでも、ゴンたちにとってライセンス取得は目的地ではなく、目的地へ向かうための準備だった。
依頼の報酬は活動資金になるし、仕事の中で情報や人脈も得られる。危険な仕事を何でも引き受ける理由にはならないが、「もう働かなくていいのに働く」不思議さは少し薄れる。
結局、カードを換金して終了するなら人生ゲームはクリアかもしれない。でもゴンが遊んでいるのは、どうやらそのゲームじゃない。
