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AIカードゲーム対戦シミュレーターの作り方と、結果を疑うべき場面

自作のAIに『シャドウバース ワールズビヨンド』の対戦を12,480回させた。元記事で報告された集計では、ロイヤルの勝率が約79.8%。一方、ウィッチは約25.6%。

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『シャドウバースWB』ロイヤル勝率79.8%? AIが12,480戦しても信じられない理由

自作のAIに『シャドウバース ワールズビヨンド』の対戦を12,480回させた。元記事で報告された集計では、ロイヤルの勝率が約79.8%。一方、ウィッチは約25.6%。

「ロイヤル最強!」と叫びたくなる。でも待って。その相手、ちゃんとカードゲームできるAIだった?

この数字は人間同士の大会結果ではない。自作シミュレーターの中で出た数字だ。まず疑うべきはデッキの強さより、AIの打ち方かもしれない。

ロイヤルにだけ優しい試験になっていない?

単純な動きが得意なAIを想像してほしい。「出せるフォロワーを出す。攻撃できたら攻撃する」。これなら、序盤から攻めるデッキはそれなりに戦える。

ところがコンボを組むデッキには、今は使わずに手札へ残しておく判断がいる。「使える! 使っちゃおう!」を繰り返すAIだと、必要な札を本番前に使い切ってしまう。

ロイヤルが強かったというより、ロイヤルは未熟なAIでも動かしやすく、ウィッチは下手に動かされていた。そんな可能性がある。元記事の数字だけでは、どちらが原因なのかは決められない。

ルールが正しいのと、プレイがうまいのは別

カードの効果が正しく発動することと、どのカードをいつ使うかは違う。

たとえば「進化できる」という処理が完璧でも、「あとで必要なのに今すぐ進化する」AIなら負ける。交通ルールを全部知っていても、運転が上手とは限らないのと同じだ。

だから、試合数を増やす前に実際の対戦ログを数試合見る。勝てる一手を見逃していないか。コンボ札を早く使いすぎていないか。必要なときに手札や盤面の空きがあるか。「何回勝ったか」より「なぜそんな手を打ったか」を先に調べる。

比較するなら、運の差も小さくする

新しいAIが勝ったとしても、たまたまいい手札を引いたのなら実力とは限らない。似た初期条件を使い、先攻と後攻を入れ替えて比較する。カードの引き方が途中で変わる場合もあるから、乱数の設定を同じにするだけで完全な公平が保証されるわけではない。

さらに、AIが変な手を打った場面を記録する。勝率は結果の看板。対戦ログは、その看板を作った現場だ。

12,480戦より先に見るべきもの

自作AIの大量対戦は無駄ではない。偏りを見つけるには役立つ。ただし、正確に測れたのが「今のAI同士の勝負」なのか「実際のデッキの強さ」なのかを混同しないこと。

元記事でロイヤルの数字が飛び抜けたのは、最強デッキ発見の瞬間とは限らない。『こいつ、出して殴る以外の作戦を知らないのでは?』という、AIへの取り調べが始まった瞬間かもしれない。

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