「走るのは嫌。でも4kmなら散歩できる」。1回1時間、週3回なら合計180分。これはもう勝ち確のダイエット? 残念ながら、時計だけでは判定できない。 でも、その散歩を捨てる必要もない。
180分歩いたら、WHOの目安を達成?
4kmを60分で歩く人が週3回出かければ、距離は12km、時間は180分。ここは計算どおり。ただし世界保健機関(WHO)が成人にすすめる「週150〜300分」は、中くらいの強さの運動についての数字だ。
歩く速さや坂道、本人の体力によって、同じ散歩でもきつさは変わる。目安は「会話はできるが歌うのは難しい」くらい。景色を眺めながら鼻歌を歌える散歩なら、その180分を全部「中くらいの運動180分」と数えるのは早い。とはいえ、ゆっくりでも動かないよりよい。
4kmなら、走るほうが痩せる?
「30分歩くか、30分走るか」なら、一般に走るほうが多くのエネルギーを使う。一方、「同じ4kmを歩くか走るか」では、走るほうが早く終わるため差は縮まる。時間をそろえた比較と、距離をそろえた比較は別競技。
走ると翌日までぐったりして、その週はもう外に出たくなくなる人もいる。散歩が楽しみなら、速さを上げるよりまず週3回を続ける方が現実的だ。慣れたら、気持ちのよい区間だけ少し速く歩けばいい。
では、週3回で体重は落ちる?
2024年に発表された116件・計6,880人の試験をまとめた研究では、過体重や肥満の成人について、週300分まで運動時間が増えるほど、平均的には体重や腹囲などが改善した。「180分歩けば必ず何kg減る」という研究ではない。 試験は8週間以上で、食事や生活によっても結果は変わる。
だから結論は「週3回なら痩せる保証はない。でも、続けられるなら良い土台になる」。4kmを歩けた日は歩いた日として数える。体重の変化は数週間単位で見て、必要なら食事も無理のない範囲で調整する。
走る靴を買うのは後でもいい。まず出番が必要なのは、今ある散歩の靴だ。
参考資料
- WHO「Physical activity」:https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/physical-activity
- CDC「Measuring Physical Activity Intensity」:https://www.cdc.gov/physical-activity-basics/measuring/index.html
- JAMA Network Open(2024年、116試験のレビュー):https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2828487
