昼間、眠かったから寝た。昼寝は大成功。ところが夜になっても目がさえている。
「よく寝た〜」のツケが、よりによって健康診断の前夜に来た。布団の中で時計を見るたび、今度は「寝不足だと検査が変になるのでは?」と心配になって、ますます眠れない。
一晩よく眠れなかっただけで、健康診断が全部無効になるわけではない。 ただ、検査によっては数値が普段と違う可能性がある。大事なのは、寝不足をなかったことにしないことだ。
血圧も血糖も、一斉に壊れるわけではない
寝不足の翌朝、どの検査も必ず悪くなる――そんな単純な仕組みではない。
たとえば健康な成人の実験6件をまとめた研究では、睡眠時間を短くしても、血圧や脈拍の平均値に明確な差は確認されなかった。一方、別の条件では血圧が上がる研究もある。つまり「絶対に上がる」も「絶対に変わらない」も言い切れない。
血糖もややこしい。健康な9人を調べた実験では、約4時間しか眠らなかった翌朝、安静時の血糖値は大きく変わらなかったのに、糖を処理する体の働きは鈍っていた。
表の数字はいつも通りでも、裏方が人手不足。 だからといって、9人の実験から「寝不足の人は健診で必ず異常値が出る」とは言えない。
昼寝は悪者なのか
昼寝をすると、起きている間にたまる眠気が少し解消される。長い昼寝や遅い時間の昼寝が、その夜の寝つきに影響することはある。
でも、昼寝したら必ず夜眠れなくなるわけでもない。「だって眠いんだもん」で寝た人を、朝から犯人扱いするのは早い。
困っているのは、昼寝そのものより翌朝に検査があるのに夜眠れなかったという状況だ。
翌朝、検査結果をよく見せようと頑張らない
寝られなかったからといって、朝になって自己流の帳尻合わせを始めるのはおすすめできない。食事、水分、薬、運動については健診施設から受けた案内を優先する。
ほとんど眠れなかったなら、受付や問診でその事実を伝えればいい。あとから境界ぎりぎりの数値が出たとき、測った日の条件を考える手がかりになる。
逆に、明らかに高い数値や気になる症状まで「昨夜寝てないし」で片付けない。再測定や追加検査が必要かどうかは、医療者の判断を聞こう。
健康診断は「寝不足だったから全敗」という一発勝負ではない。 眠れなかった夜は正直に申告して、結果は普段の数値も含めて読んでもらう。
昼寝で元気を前借りしたつもりが、夜の眠気だけ帰宅してしまった。それでも検査まで捨てる必要はない。
確認した研究
※一般向けの情報です。健診施設からの個別の指示と医療者の判断を優先してください。
