散歩なら何時間でもできる。知らない街を歩いて、コンビニに寄って、また歩く。ところが「毎週3回、何km走る」と決めた瞬間、やる気が逃走する。
では散歩を続けていれば、いつかフルマラソンも走れるのか。体力の土台にはなる。でも散歩だけで42.195kmの本番準備が終わるわけではない。 ここは分けて考えたい。
散歩は無駄どころか、立派なスタート
外出を習慣にできるのは強い。週末の街歩きも、買い物ついでの遠回りも、何もしないよりずっといい。世界保健機関(WHO)は成人の健康のために、週150〜300分の中強度の運動などを勧めている。短い運動も積み重ねられる。ただし、のんびり散歩のすべてが「中強度」に当たるわけではない。
毎回「本気のトレーニング」をする必要はない。近所を散策し、飽きたら店で休み、別の日にまた出る。コンビニは敗北画面ではなく、セーブポイントだ。
マラソンには「走る練習」が別に要る
長く歩ける人でも、走ると脚や足にかかる負担は変わる。息切れだけでなく、着地の衝撃、長時間動くこと、水分やエネルギーの補給にも慣れる必要がある。
英国のNHSが公開する初心者向けプランは、最初から長く走らせない。歩く→少し走る→歩くを繰り返し、休む日も設けながら9週間かけて走る時間を延ばす。これはフルマラソン用の完成メニューではなく、走り始めるための入口だ。
まず短いラン・ウォークが快適にできるかを見る。その後、5km、さらに長い距離と段階を踏む。フルマラソン出場を決めたら、別途、自分の経験に合った十分な準備期間を取る。「最後の3か月だけ頑張れば誰でも大丈夫」ではない。
遊びは日常、レースは別のゲーム
観光や散歩が楽しいなら、それを捨ててまで毎日走る必要はない。散歩を土台にし、走りたい日に少し混ぜる。レースを目指す段階では、脚の状態に応じて負荷を少しずつ増やす。
痛みが続く、胸が痛む、めまいがするなど異常があれば運動を中止し、必要に応じて医療機関へ相談する。暑さや交通にも注意したい。
散歩だけでフルを保証する魔法はない。でも、運動嫌いが運動を続ける入口としてはかなり優秀。 ボス戦の練習と、毎日の楽しい寄り道を混ぜなくていい。
参考:WHOの身体活動ガイドライン(2020年)、NHSの初心者向けランニング計画。
