「女性は別れた直後がつらい。男性は数か月たってから引きずる」。こんな話を聞くと、失恋に男女別のタイムテーブルがあるように思える。そんな便利な配達予定表、研究では発行されていない。
1. 男性は本当に「後から」つらくなるのか
ドイツの研究では、恋愛関係を解消した1,530人を、交際を続けた人たちとも比べて調べた。男性は女性より別れを切り出しにくく、独身生活への満足度が低く、新しい交際相手を望みやすい傾向があった。一方、別れに伴う幸福感の低下と孤独感の増加には、男女差が見つからなかった。これは「男性だけが4か月後に落ち込む」という時間差の証拠ではない。
2. 「3か月で回復」は失恋の賞味期限ではない
別の研究では、2年間に一度の別れを経験した若い成人156人を追跡した。落ち込みに関わる症状は別れた月に平均で増え、3か月以内に以前の水準へ戻った。ただし、これは集団の平均。全員が90日後に元恋人を忘れるわけではない。
元恋人を思い出すことと、毎日生活に支障が出ることも別だ。「今でもいい人だったと思う。でも戻りたいわけではない」。そんな状態も十分あり得る。記憶を消去するアプリは要らない。
3. 4か月目の気持ちは、性別だけでは読めない
同じ失恋でも、別れを望んでいたか、頼れる人がほかにいるか、何度も同じ後悔を考え続けるかで感じ方は変わる。調査結果は個人の気持ちを決めつける免許証ではない。
結論はシンプルだ。 「男性だからあとから来る」「女性だからもう立ち直った」ではなく、その人が今どう感じているかを聞く。失恋の時計は男女別ではなく、一人ずつ違う。
Sources / 参考資料: Acolin et al., 2023; Wahring et al., 2024.
