たとえば、地域の園芸講座に初めて参加した人。隣の人が育てている鉢を見て、「うちのも、こんなに元気に育つといいんですが」と話しかける。そこから水やりの話になり、帰りに挨拶を交わす。
その日に親友ができなくても、一緒に植物の話を楽しめた時間は残ります。60代以降の友達作りも、最初から深い関係を目指す必要はありません。
年齢だけで「もう遅い」と決めず、自分がほしいつながりと、今の暮らしに合う場を考えてみましょう。
どんな付き合いがあるとうれしいか
時々お茶を飲める人、趣味について話せる人、近所で挨拶する人。一緒に学ぶ仲間もいれば、オンラインで感想を交わす相手もいます。
すべてを一人の親友に求めなくてもかまいません。毎日連絡を取ることだけが友情でもありません。自分はどんな時間を誰かと過ごしたいのか、そこから考えると場所を選びやすくなります。
興味と通いやすさの両方で選ぶ
地域の交流会、図書館の催し、園芸や歌の集まり、学びの講座などが候補になります。体を動かす活動を選ぶなら、内容や負担が自分に合うかも確かめたいところです。
気になる場が見つかったら、次の点を確認します。
- 自分が楽しみたい活動か
- 初めての参加者を受け入れているか
- 時間、費用、交通手段に無理がないか
- 見学や単発参加ができるか
- 交流の仕方や連絡先交換にどんなルールがあるか
60代だから時間が自由になるとは限りません。仕事や家族の世話など、それぞれの暮らしがあります。外出が難しければ、自宅から参加できる形があるか調べる方法もあります。
ボランティアを選ぶ場合は、人との出会いだけでなく、活動の目的や役割にも納得して参加しましょう。
挨拶と目の前の話題からで十分
最初から気の利いた自己紹介を用意しなくても大丈夫です。「今日の講座、ここが面白かったですね」と、同じ体験について一言話すところから始められます。
返事があれば少し続け、相手が活動に集中したそうなら切り上げる。自分の話ばかりにならないようにしつつ、無理に聞き役を続ける必要もありません。
また行きたいと思ったら、都合の合うときに参加してみます。ただし、何回通えば友達になれるという決まりはありません。植物の水やりには目安があっても、友情に同じ回数表は使えません。
続けるか、距離を置くかも自分で決める
顔なじみになっても、連絡先や詳しい私生活をすぐに教える必要はありません。誘うときも、断られたら受け止めます。相手が休んだ理由を詮索したり、返信を求め続けたりしないことも大切です。
自分が不快な勧誘や要求を受けたなら、交流をやめたり別の場を選んだりしてかまいません。長く通ったからといって、付き合い続ける義務はありません。
まずは「この活動を楽しめそうか」「このくらいの付き合いなら心地よいか」。その二つを確かめながら、今の生活に合うつながりを探していけば十分です。
