昨日まで普通に話せていた相手なのに、「もしかして好きかも」と思った瞬間、目を合わせることすら難しくなる。向こうが話しかけようと近づいてきたら、なぜか自分から離れてしまう。
好きだから逃げる。相手から見ると、ただ逃げられている。 恋愛の難易度設定、そこだけ急におかしくない?
自分の頭の中と、相手に見えるものが違う
避ける側の心には「好きだから緊張する」「気持ちを知られたくない」がある。一方、相手が見たのは、話しかけたら離れたという行動だけ。そこで「嫌われたのかな」と考えて距離を置けば、好意があったとしても関係は進まない。
これは「両片思い」と呼ばれることがある。ただし、本当に双方が好きだったかは、本人同士が確かめない限り分からない。 外から見て切ないすれ違いでも、片方は単に忙しかった可能性だってある。
登校時間が重なった。脈あり確定?
以前は会わなかった人と、同じ時間に何度も会うようになる。「わざと合わせてくれた?」と期待したくなる。しかし、時間割や生活習慣が変わっただけかもしれない。視線や近くに来る行動も、一つでは答えにならない。
会話の研究には、初対面の人が「相手は自分をそれほど好きではない」と実際より低く見積もりやすいという結果がある。ただし、これは会話相手への好感の研究で、恋愛感情を見抜く装置ではない。[1]
大きな告白より、小さな会話を戻す
「両思いだったはず!」と頭の中で裁判を開く前に、まず普通のあいさつを一回。話せたら短い雑談。無理なく続くなら、負担の少ない誘い方を考える。相手が乗り気でなければ、そこで引く。
好きなのに避けてしまうのは、珍しい矛盾ではない。でも、相手は心の字幕を読めない。
心の中では『近づきたい』。画面上では『接近禁止』。 その表示の食い違いを直すのは、推理ではなく、ほんの少しの会話かもしれない。
[1] Boothbyほか(2018), Psychological Science, https://doi.org/10.1177/0956797618783714 。一般的な対人好意の研究であり、個別の恋愛感情の証拠ではない。
