「いい質問です! 結論から言うと、大事なポイントは3つあります。※それな※」
こんな文章が毎段落続いたら、内容を読む前に「チャッピー、今日も元気だな」と思うかもしれない。
チャッピー構文とは、ChatGPTっぽい書き方をわざと真似して楽しむネタのことだ。10代から20代に聞いた2026年上半期の調査では、「流行った言葉」の3位に入った。
ただ、犯人は見出しや太字を作る記号ではない。問題は、どの話でも同じ調子でしゃべり続けることにある。
「※それな※」は太字にならない
文章を書くとき、行の先頭に##を置くと見出しになり、**ここ**と囲むと太字になる。この書き方を「Markdown(マークダウン)」と呼ぶ。
画面にきちんと表示されれば、読者に見えるのは見出しと太字だけで、記号は見えない。
では※それな※は? 標準のMarkdownでは特別な意味を持たないので、基本的には「※」ごと画面に残る。
同じ記号でも役割が違う。**は文字を強調する道具で、※それな※は声色を足すための飾りに近い。
AIっぽいのは、一つの言葉より「全部入り」が続くこと
「結論から言うと」は昔からある普通の表現だ。箇条書きは手順の説明に便利で、太字も必要な場所にあれば読みやすい。
それなのに、どの文章も毎回こうなるとどうだろう。
- 「いい質問です!」で持ち上げる
- 見出しの横に絵文字を置く
- 中身は必ず3項目にする
- 「つまり」でまとめる
- 最後は「必要なら続きを作れます」で締める
一つずつは便利な道具でも、全部そろうと、文章より「おなじみの型」が先に見える。人がわざと真似してネタにするのも、この型が目立つからだ。
ただし、この特徴があるだけで「AIが書いた」とは言い切れない。人間も同じ型で書ける。文章だけで犯人を決めつけるのは、推理としてだいぶ雑だ。
ネタは「※草※」より、出来事で笑わせたい
たとえば買い物の話で、
「※高すぎて草※」
と書けば、驚いたことは分かる。でも、何に驚いたのかはほとんど見えない。
「値札を見間違えたと思って、もう一回見た。店員さんは何もしていないのに、こちらの予算だけ死んだ」
こちらなら、値札の前で固まる場面が浮かぶ。
記号で笑う人がいてもいい。ただ、毎段落それに頼ると、ツッコミを記号に任せすぎてしまう。文章担当者、そろそろ出勤してほしい。
見出しまで消したら、読者が困る
「AIっぽく見えないようにしよう」と、見出しも太字も全部なくす必要はない。
長い話は見出しで区切る。比べるものは並べる。大事なところだけ目立たせる。どれも読む人のための工夫で、AI専用の癖ではない。
見直したいのは次の3つだ。
- 同じ口調を繰り返していないか
- 具体的な話があるか
- 最後の一文まで読者に必要か
Markdownは無罪。使う側が毎回フル装備で登場するから、文章がロボットの全身タイツみたいになる。
道具はそのままでいい。着替えるのは文章のほうだ。
