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上司に「電話しろ」と言われ、揉めたら自分のせい?責任を背負わない伝え方

上司の指示を他部署へ伝えるうち、調整も後始末も自分に集まるとき。記録に判断者・期限・選択肢を添え、追加依頼の優先順位や連絡方法を確認する文例から、仕事を進めながら責任の境界を保つ方法を考える。

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「この方針で進めるから、向こうの部署に電話して」

言われたとおり連絡したら、相手は「それでは現場が回りません」と反対。上司に報告すると、今度は「お前の伝え方が悪い」。

ちょっと待って。決めたのは上司で、電話したのは自分。いつの間に決定まで担当したことになった?

伝書鳩として飛んだはずが、帰ってきたら火消し隊員になっている。そんな昇格、聞いてない。

このとき必要なのは、すべてを断ることでも、上司と口論することでもない。自分が伝える部分と、決めた人が引き受ける部分を分けることだ。

「伝える」と「決める」は別の仕事

たとえば、ある部署が「来週からこの手順に変えたい」と希望しているとする。実際にその手順で働くのは、別の部署だ。

間に入った人ができるのは、希望を正しく伝え、相手の困りごとを聞き、選べる案を整理するところまで。相手の部署が人手を増やすか、期限を延ばすかまで、一人で約束する権限はないかもしれない。

だから、話がまとまらなければ決めた人に戻す。これは仕事を放棄する行為ではない。決めるべき人に決めてもらう手続きだ。

ただし、本当に言葉を間違えて伝えたなら、その点は直す必要がある。何でも上司の責任にする話ではない。問題なのは、内容は正確に伝わっているのに「反対された」という結果だけで、伝達した人に決定の責任まで押し付けることだ。

相手の部署には「決定事項」ではなく「要望」として伝える

相手の合意がまだないのに、「来週からこうしてください」と伝えると、電話した人まで決定者に見えてしまう。

そこで、最初の言い方を変える。

「こちらでは、来週からこの方法を考えています。そちらで実施する場合、困る点や必要な条件はありますか?」

これなら、こちらの希望は伝わる。同時に、相手にも事情を説明する余地が残る。

相手が「無理です」と言ったら、そこで勝手に期限や人員を約束しない。なぜ難しいのか、どこまでならできるのかを聞き、持ち帰る。

伝える人の仕事は、反対意見を消すことではない。反対意見がどこから出たのかを、判断する人に見えるようにすることだ。

電話の後は、短いメールでボールを返す

電話で終わらせると、「そんな話は聞いていない」が後から生まれやすい。内容を短く残しておくと、次に誰が動くか分かる。

「先ほど先方へ確認しました。来週開始は人員の都合で難しく、再来週なら可能とのことです。開始時期について、ご判断をお願いします。」

これで十分。長い議事録にする必要はない。

大切なのは、相手の回答・残った問題・次に決める人の三つが見えること。

「報告しておきました」だけでは、結局また電話した人が決めることになりやすい。最後に、何の判断が必要なのかを一文で置く。

圧の強い相手にも、一文だけ境界線を出せる

強い口調で「いいからやって」と言われると、反論するほど話が長引くこともある。だからといって、何でも引き受けたことにする必要はない。

たとえば、こんな返し方でよい。

「連絡はします。先方から条件が出たら、決定は持ち帰ります。」

言われた作業は進める。でも、まだ決めていないことは勝手に約束しない。

もし追加の仕事も頼まれたら、「今の仕事とどちらを先にしますか」と確認する。無理な量を黙って引き受けるより、順番を決めてもらう方が仕事は進む。

相手にとって気に入る返事かどうかと、仕事として正しい返事かどうかは別だ。

何でも上司に返せばいいわけではない

自分で日程を調整できる、決まった条件の中で文面を直せる、相手に質問を追加できる。そうした部分は、毎回許可を取らずに進めてよい。

一方で、相手の部署に新たな負担を約束する、予算を変える、当初の方針をひっくり返す。こうした判断は、権限のある人や関係する部署と合わせる必要がある。

「自分でできる作業」と「自分が決めてよい内容」を混ぜない。この違いだけで、責任の行方はかなり明確になる。

英国の公的な職場ストレス対策でも、働く人が自分の役割を理解でき、食い違う要求を相談できることが重視されている。誰か一人の性格を決めつける話ではなく、仕事の決め方を明確にする話なのだ。

出典:https://www.hse.gov.uk/stress/standards/role.htm

判断が戻ってこないときは、期限も一緒に示す

意見を持ち帰った後、判断が止まることもある。そんなときは「どうしますか」と何度も催促するより、選択肢と期限をまとめる。

「先方は今週開始なら人員の追加が必要、来週開始なら今の人数で対応可能とのことです。どちらで進めるか、木曜の午前中までにご判断ください。決まり次第、こちらから先方へ連絡します。」

判断する人を明記し、返答が必要な時刻も示す。期限に間に合わなければ、作業への影響を共有して再確認する。こちらで勝手に新しい約束をする必要はない。

ここでも自分の仕事は進んでいる。相手の話を聞き、二つの案に整理し、連絡の準備までできた。決定だけは、決める権限を持つ人に残す。

最後に

「電話して」と頼まれたなら、電話する。意見が出たら、整理して伝える。そこで新しい判断が必要になったら、決める人に返す。

仕事から逃げるのではなく、勝手に責任を増やさない。

伝書鳩は伝言を運べば十分だ。飛行中に議決権まで発生しなくていい。

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