税務署のシステムが不調だという。急いで手続きしたい人には「窓口へ」と案内される。
オンラインが使えないなら、直接行けば解決しそうだ。ところが、そこで一つ疑問が浮かぶ。
窓口の人も同じシステムが使えないなら、何ができるの?
答えは、「紙で受け付けること」と「税金の記録を確認して処理を終えること」は別、ということだ。紙は助けになる。でも紙そのものが、止まったコンピューターの代役になるわけではない。
2026年9月、国税のシステム切り替え後に遅れが出た
国税庁は2026年9月24日に国税システムを新しくする作業を行った。e-Taxはその前の9月19日から24日朝まで、さらに26日にも、予定された保守のために利用できない時間があった。
これとは別に、切り替え後の税務署窓口では、現金の受け取りや納税証明書の発行などに時間がかかる問題が公表された。電子申告の周辺にも不具合の告知が出た。
ここは区別が必要だ。あらかじめ知らせていた保守で使えない時間と、想定どおり動かなかった不具合は同じではない。
また、「9月に問題があった」ことと「今もすべての機能が止まっている」ことも違う。使える機能はその日の公式案内で確認する必要がある。
「窓口に来て」は「すぐ終わる」ではない
普段はネットで済ませる人も窓口へ来る。一方、職員側はいつもより確認に時間がかかるかもしれない。
いつもより人が多いのに、一人あたりに時間がかかる。
これは行列にとって最悪の組み合わせだ。「こちらにお並びください」と言われた列が、ちっとも進まない遊園地になる。 しかも乗り物はない。
だから、窓口が開いているだけで、手続きの完了時刻まで保証されたわけではない。
期限に余裕があるなら、現在使える方法や混雑案内を確認してから動くほうがよい場合もある。ただし、申告や納付の期限が関係するなら、自己判断で待ち続けず、国税庁や税務署の最新案内を確かめる必要がある。
紙で残せるのは「受け取った記録」までかもしれない
紙の申請書や受付票が助けになる場面はある。
たとえば、提出した日を記録する。必要な書類を預かる。後で確認できるよう控えを残す。システムが復旧したら、順番に作業するための記録を作る。
ただし、どこまで紙で受付できるかは手続きと当日の対応次第だ。紙を持参すれば、どんな申告や証明書も必ず受理・発行してもらえるわけではない。
税金を支払ったかどうか、過去の記録が正しいか、同じ処理を二重にしていないか。これらは、元の記録を確認しないと決められない場合がある。
紙は「受け取った」の証拠になる可能性がある。でも、紙に名前を書いただけで全国の記録が更新されるわけではない。
本当に欲しいのは「全部動く」より「全部止まらない」
大きな仕組みに不具合が起きたとき、何もかも普段どおりに動かすのは難しい。
それなら、利用者に必要な情報だけでも分かるようにしてほしい。何が止まっているか。どこまで受付できるか。急ぎの人は何をすればいいか。受付後の処理がいつ確認できるか。
そして復旧した後に、提出漏れや二重処理が起きていないか確かめる。
「もう紙でやれ!」という叫びの本音は、紙が好きだからではない。
大事な手続きの入口まで、一緒に消えないでほしい。 それだけなのだ。
確認先
- e-Taxの利用可能時間:https://www.e-tax.nta.go.jp/info_center/index.htm
- e-Taxのお知らせ一覧:https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/
- システム更改前の予定保守案内(2026年4月22日掲載):https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2026/topics_20260422.htm
- 国税庁のシステム更改案内:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/system.htm
