『GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok』(以下、ER)を遊ぶ前に、「本編と同じくらいのボリュームがある」という趣旨の話を聞いた記憶がある。そのときは、さすがに大げさではないかと思っていた。ところが、CHAOSのクエストを進めるうちに、自分なりに腑に落ちてきた。
ここでいう「本編級」は、ストーリーの尺やマップ数を測って出した結論ではない。誰の発言だったかも確かめられていないので、公式の宣伝文句として引用するつもりもない。自分が感じたのは、本編で終えたと思っていたボス攻略と装備研究が、もう一度始まるほどの手応えだ。
新しい相手に負け、装備を見直し、素材を集めて再挑戦する。PROUDや終盤の強敵に初めて挑んでいた頃の感覚が、さらに激しい戦闘の中で戻ってきた。以下はそのプレイ記録で、イドやベルゼバブなどの登場・戦闘演出にも触れる。難しさは当時の装備、編成、操作に左右される個人の体感として読んでほしい。
バハ武器があっても、安心して殴り続けられない
本編で育ててきた、いわゆる「バハ武器」は、自分にとって育成の到達点を感じさせる装備だった。だからERに入るときも、これだけ育ててあれば、しばらくは押し切れるだろうという気持ちがあった。
CHAOSでは、その安心感が長く続かなかった。攻撃が速く、範囲が広く、重い一撃の後にも次の攻撃が来る。派手なエフェクトに紛れて予兆を見失ったり、避けたつもりで多段攻撃の続きに当たったりする。CPUの仲間が複数倒れると、立て直す余裕まで一気に小さくなった。
自分の構成では、一発で倒されたように感じる場面もあった。ただ、文字どおり一撃だったのか、短い間に連続で被弾したのかは、戦闘中の印象だけでは区別できない。バハ武器さえ持てば耐えられるとも、CHAOSでは誰でも必ず一撃で倒れるとも言えない。
それでも、装備の強さに頼って攻撃を続ける癖が通用しにくくなったことは確かだ。火力が足りるかを考える前に、次の攻撃を見て、生き残って殴れる時間を作る。その順番を覚え直すことになった。
CHAOSを進めるほど、構成を見直す場所が増える
最初のCHAOSでは、本編から持ち込んだ装備で進められる場面もあった。だからこそ、その先で急に苦しくなったときの落差が大きい。なおCHAOS+、CHAOS++は便宜的な呼び方ではなく、公式アップデート情報にも記載されているクエストランクだ。
ただし、どこが最初の壁になるかは人による。自分が上位のクエストや再戦で感じたのは、攻撃力だけを伸ばせば解決するわけではない、ということだった。敵の動きを覚えることと、装備を組み直すことを、別々に済ませられなくなる。
見直す候補には、新しいジーン、武器の追加強化、召喚石、そしてキャラクターの新たな強化要素がある。英語版のMaster Traitsに当たる要素は、日本語の公式システム紹介では「マスタースキル」と案内されている。ガッツや自動復活、HP、回避・生存に関わる効果も、自分の倒され方に合わせて検討したい。
これらを全部積むのが正解、という話ではない。生存寄りにすると火力との兼ね合いが出るし、同じ構成でも回避を失敗すれば崩れる。何で負けているのかを見て、一つずつ変える。まだ普通に進めると思った直後に立ち止まらされるからこそ、完成したつもりの構成をもう一度眺めることになった。
竜化イドとの再戦で、懐かしさが一気に吹き飛ぶ
その中で特に印象に残ったのが、竜化したイドとの戦闘だ。本編を終えた後の自分にとって、イドは単に「敵だった人物」ではなく、こちら側に近い存在として記憶に残っていた。姿を見た瞬間には、久しぶりだな、という気持ちが先に来る。
しかし、戦い始めるとそんな余裕はない。こちらを倒す気満々に見える立ち姿と、速くて広い攻撃を前にすると、「急に敵側の圧で来るのか」と言いたくなる。これは再戦で受けた印象であって、イドが物語上で再び敵に寝返った、という意味ではない。
「さあ、殺し合おう」とでも言いそうな圧、と表現したくなるが、実際の台詞を引用しているわけでもない。懐かしさで気を緩めた直後に、必死で回避する側へ戻される。その落差が面白かった。
同じ顔の相手だからこそ、以前の戦い方を覚えているつもりになる。そこで追い込まれると、再会のうれしさより先に「強すぎるから少し待ってくれ」が出てくる。自分には、単なる懐かしいボスの再登場ではなく、攻略の感覚を更新させられる再戦だった。
強いベルゼバブが王座に座ると、余計なことを考えてしまう
ベルゼバブは、別の方向から集中力を揺さぶってくる。戦闘そのものは厳しく、少し崩れると立て直しが難しい。それなのに、印象に残っているのは、戦闘中に王座へ腰を下ろす姿だ。
こちらは必死に動いているのに、向こうは座っている。その絵を見ると、つい「今、休憩しているのか?」という考えが頭をよぎる。もちろん、休憩状態になるという攻略情報ではない。安全に攻撃できる時間だと判断する根拠にもしていない。ただ、追い詰められている側からは、その余裕が妙におかしく見える。
公式の人物紹介でも、ベルゼバブは空の世界で絶対的な存在になろうとする人物として描かれている。だから王座も、圧倒的な自信の表れと見ると納得がいく。ただし、その演出意図を制作者が説明したと確認できたわけではなく、ここは自分の読み方だ。
上半身を大きく見せる姿や芝居がかったポーズも含め、本人は大真面目なのだろうに、こちらには絵面が強すぎる。その堂々とした振る舞いと、必死に回避している自分との温度差が、戦闘の記憶に残っている。
「ザ・ワールド」で、頭の中にジョジョが割り込んでくる
ベルゼバブの姿やポーズから、個人的には『ジョジョの奇妙な冒険』のDIOを連想してしまう。そこへ「ザ・ワールド」という名前まで出てくると、頭の中の連想がさらに強くなる。フラウがその名前に触れていた記憶も重なり、戦闘とは別のところで面白くなってしまった。
ただ、会話の正確な文言や場面の順番は、ここでは再現しない。動きや構えまで似て見えたとしても、映像を並べて検証した結果ではないし、ほかのプレイヤーにも共通する意見だとは言えない。
設定も分けておきたい。グラブル側のザ・ワールドはアーカルムシリーズの星晶獣で、ジョジョのスタンドとは別の存在だ。また、フラウの契約相手はザ・デビルであり、ザ・ワールドではない。名前から連想したことを、そのままキャラクター同士の関係にしてはいけない。
公式オマージュだと断定する材料も、今回確認した情報にはない。それでも、自分の頭の中で結び付いてしまう面白さは残る。難しい攻撃を避けている最中に、王座やポーズを見て余計なことを考えてしまう。ベルゼバブ戦には、そんな緊張と笑いが同居していた。
負けた後に、試したいことが残る
ERが面白いのは、難しいからという理由だけではない。少なくとも自分には、負けた後に次の一手を考える余地が残ることが大きかった。何もできずに崩れたように見えても、振り返ると、攻撃の読み違いなのか、立て直しの弱さなのかを考えられる。
火力やダメージ上限に余地があるのか。HPを増やす意味があるのか。回避のタイミングを直すべきか。ガッツや自動復活を試すのか。CPUの編成や装備を変えるのか。それとも、先に新しいジーンや強化素材を取りに行くのか。全部を一度に解決しようとせず、敗因に近いところから試していく。
どの変更が効くかは、相手と今の構成次第だ。一つ変えれば必ず勝てるわけではない。それでも、負けた理由を考えて次の挑戦に持ち込めるなら、周回もただの作業ではなく、試したい構成を作る時間になる。
本編では終わったつもりだった装備研究が、そうして再開した。負ける、考える、強化する、また挑む。そしてようやく勝つ。この流れが戻ってきたことが、自分にとっては追加されたクエスト数以上に大きかった。
「本編級」と感じたのは、もう一度攻略に夢中になれたから
ERの内容が本編と同じ時間や数量に相当する、と計測したわけではない。それでも遊びながら、本編級という言葉に納得する瞬間はあった。強い装備を持ち込んでも考え直すことがあり、知っている相手にも新たな緊張が生まれる。その繰り返しで、攻略がもう一度自分の中で動き始めたからだ。
竜化イドに慌てさせられ、ベルゼバブの王座に余計なツッコミを入れ、ザ・ワールドの名前でジョジョを連想する。そうした具体的な場面が、難しさだけではないプレイの記憶になっている。
自分にとってのERの物量は、単に「まだボスがいる」という多さではなかった。「次はこう変えたら勝てるかもしれない」が、また次々に出てくることだった。本編で一度味わった、強敵をようやく倒せたときの感覚に、もう一度届きたくなる。その手応えこそが、今のところ自分が理解した「本編級」だ。
