『メイドインアビス』のアビスは生き物?イルぶるが怖すぎる理由

作品:『メイドインアビス』

イルミューイが村になった。村の中では、住民の願いや「価値」が肉体の形まで変えてしまう。そして最後にはファプタが生まれた。

異変を探す
読書機能の使い方

聴く:本文を読み上げます。速読:語句を順に表示し、速さを調整できます。語学練習:別の言語版と対訳を読み比べます。保存:このブラウザーにブックマークし、プレイヤーの保存済み一覧から開けます。ブロック崩しで読む:記事の文字そのものを的にして、ブロック崩しで遊べます。

この記事をシェア

ネタバレ注意:イルぶる編と原作15巻までの設定に触れます。アビスが生物だという公式発表はありません。

イルミューイが村になった。村の中では、住民の願いや「価値」が肉体の形まで変えてしまう。そして最後にはファプタが生まれた。

……ちょっと待って。これ、アビス全体で起きていることの小型版では?

人間が「村」になれる世界

イルぶるの恐ろしさは、住民が変な姿になることだけじゃない。ひとりの生命だったイルミューイが、ほかの生命を内部に抱える場所そのものになったことだ。

しかも村では、人が何を求め、何を大切にするかが、身体や物の形にまで響く。普通の街は住民の欲望を読み取って身体を改造しない。自治会が強すぎる。

そしてイルぶるは、最後にファプタを生み出す。つまり作中には、生命が場所になり、ほかの生命を変え、新しい生命を生むという流れがすでに描かれている。

では、大穴そのものも「身体」なのか

アビスには、入るほど戻るのが難しくなる上昇負荷がある。深く潜ると、生き物の姿も、人間の身体も、常識では考えられない変化を見せる。

ここでイルぶるを見た後だと、大穴がただの地形には見えなくなる。力場は膜、層は臓器、遺物は内部で生まれたもの――そんなふうにアビスを巨大な生き物として読むことができる。

ただし、ここからは考察だ。イルぶるで願いと身体が結びついたからといって、アビスの呪いまで同じ仕組みと決まったわけではない。「なんとなく似てる」を「作者が確定させた」に昇格させるのは早い。

2000年周期は「出産予定日」?

作中には、お祈り骸骨の年代などをめぐる約2000年の周期の謎がある。もしアビスが生き物なら、その周期を成長や生まれ変わりに見立てることはできる。

「2000年ごとに何かを産んでいる」。面白い。怖い。だが証拠はまだ足りない。周期的な痕跡があっても、何が起きたかは別問題だ。遺物やレグをアビスの産物だと断定することもできない。

この説を疑う理由も、ちゃんとある

イルぶるは、イルミューイと遺物をめぐる特別な出来事から生まれた村だ。はじめから存在する大穴と、成立のしかたが同じとは限らない。

「イルぶるがアビスの縮図」ではなく、単に「アビスで起こる願いの悲劇を極端な形で見せた別の事件」かもしれない。あるいは作者が、同じ問いを別の場所で反復しているだけかもしれない。

だから今後の注目点は一つ。アビス全体でも、生命や願いが環境そのものへ変わる証拠が出るか。 それが出れば、大穴が生きている説は一気に強くなる。

結局、いちばん怖いのは

アビスは巨大な怪物だと決まったわけではない。でも、イルぶるを知ってしまうと「洞窟の中で冒険している」とだけは思いにくい。

もし穴がひとつの身体だったら、探窟家たちは怪物の腹の中で「新発見!」とはしゃいでいることになる。

冒険の難易度がおかしいと思ったら、そもそも地形が生きているかもしれない。 そんな疑問を抱かせるだけで、イルぶる編は十分怖い。

同じ作品の次の疑問: 『メイドインアビス』73・74話で見えてきた“願望機”説――願いを叶え、代償だけ別人に請求する巨大変換システムなのか

このシリーズ 『メイドインアビス』の記事をまとめて読む(2件の記事)

PRこの記事に関連する本・場所・もの

  • 『メイドインアビス 1』

    つくしあきひと / 竹書房(バンブーコミックス) / 2013

    記事で取り上げた『メイドインアビス』の原作コミックス第1巻です。作品を最初から読んでみたい人のために載せています。

  • 『メイドインアビス』のグッズ

    この記事で扱った『メイドインアビス』のグッズの検索結果です。

この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。 広告について Amazonのアソシエイトとして、mendoi-appsは適格販売により収入を得ています。

今日これ読んで

この記事を読んだ人の次の疑問に、それぞれ答える記事です。

『メイドインアビス』の記事をすべて見る(2件の記事)すべての記事から探す「アニメ」の記事をもっと見る

この記事が役に立ったら、応援できます。 応援する

もう1個、なんか面白いのない?

読み終わったついでに。近い話と、ぜんぜん違うけど面白い話を少しずつ。

  1. 近い話『SNL UK』の「Two Pugs」は何が面白い?パグの初対面が上品な口論になるコント
  2. ぜんぜん違うけど『2XKO』開発終了で対戦できなくなる?2027年のサーバーとオフライン対戦
  3. ジャルジャル「おばはん絡み」はなぜ同じ一言だけで笑える?森田が「1分半」で驚いた理由
  4. ロバート・パティンソンの真顔にラップの歌詞?なぜ「事情聴取」みたいになる?
  5. 朝6時40分に勝手に目が覚めた。眠くないのに「まだ寝たい」――睡眠は足りたのか?

他の記事を探す

すべての記事

めんどいちゃん

このサイトの運営者

めんどいちゃん

仕事や日常の「めんどい」を構造化して、次に動きやすくする記事を書いています。